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1:ID:1P1jv0 · 2017-08-22

防波堤の上を歩く制服を着た高校生を見たい

5 件のコメント

2:ID: · 2017-08-22

部活帰りに「海へ行こう!」とアイツが言い出した。嫌だと拒んでも、アイツはキラキラした目で「どうしても行きたいの!」というので仕方なく付き合う。また拒むと今時の幼稚園児もドン引きなほど駄々をこねるから、それを見るよりも海まで行った方が幾分かマシというものだ。
高校の近くには海がある。が、砂浜ではなくテトラポットが。青い海ではなく濁った海がある。工業団地だからそんなもんだ。「潮風涼しい!」「……まあ、風は涼しいわな」防波堤の向こう側からは、しょっぱい匂いを背負った風が来る。「……お前なにしてんの」「防波堤にっ、のぼろうとっ、クソ難しいな」「あっちに梯子あるけど」「……あ、」知ってたよ?けどこうのぼってみたかったとアイツは誤魔化す。絶対知らなかっただろ。
粗末な梯子をのぼり、海を眺める。向こうには島が、そこまで繋ぐ橋が、ミニチュアのように小さく見える。反対側には恐らく漁船だろう、人が網を投げ込んだり、釣りざおを海へ投げている。

3:ID: · 2017-08-22

Re:2
「いい景色!」思いきり背伸びをして、歩きだすアイツ。一歩進む度にはねる制服、風が吹く度に揺れる髪。アイツが向かう先には、赤い塔。海から運ばれた荷物を、持ち上げるために使うのだと、知ったのは最近だった。少ししてから自分も後を追うように歩きだす。
炎天下のなか、帽子もなく歩くのはバカだと思う。眩しくてたまらない。でも、アイツはこの日射しのなかを、木漏れ日を浴びているかのように上機嫌で歩く。どこかイカれているのではないだろうか。「ねえねえあのさ」「なに」「今さ、めちゃくちゃ青春っぽいことしてない?」くるりと振り向いたアイツの顔は、笑ってた。目を細めそうになるくらい、眩しい笑顔だった。
夏のせいだ、アイツが言った青春って言葉のせいだ、暑さのせいだ。だからイカれたこと考えたんだ。自分の顔が赤くなったのは、やたら早く鳴る鼓動は、近くに行ってキスをしてみたくなったのは、そのせいだ。

4:ID: · 2017-08-22

みたいなのが見たいです。ひとつ訂正。
×釣りざおを投げる
○釣り針を投げる
釣りざおを投げてどうするの

5:ID: · 2017-08-23

歩く度に揺れる髪とか潮風が揺らす制服とか後ろから見たい。ただただボーッと眺めて、「なにボーッとしてんのー?」って振り向かれたい。そんな夏を送りたかった。

6:ID: · 2017-08-27

テトラポットを降りていってもいいな。で、濁った海水を間近で見て「う~ん、濁ってる」とひと言呟いてほしい。産まれたときからずっとずっと濁った海しかみたことがなかった。工場から廃棄された水や空気が混じって、この色になってしまったのを聞かされてきた。汚れきった水しか知らない二人。いつかきれいな海をみてほしい。どこまでも青く、空の青を吸収し続けているかのような海をその眼でみてほしい。

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